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発酵を召しませ

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  • 発酵を召しませ
藤本 倫子(ふじもと・みちこ)さん
日本発酵文化(株)常務取締役、発酵プロフェッショナル。東京農業大学卒業後、癌細胞研究を経て(株)八海山に入社し、麹専門店「千年こうじや」や日本酒・発酵セミナーの立ち上げに携わる。2017年に独立。現在は全国で発酵食文化の啓蒙活動を行う。
今、改めて見直されている発酵食品のおいしさと健康効果。
そのメカニズムや歴史を知って、より上手に食卓に取り入れましょう。
日本の発酵文化に精通する藤本倫子さんに、発酵の基本を教えていただきます。

商品特徴

発酵を召しませ

発酵を召しませ
藤本 倫子(ふじもと・みちこ)さん
日本発酵文化(株)常務取締役、発酵プロフェッショナル。東京農業大学卒業後、癌細胞研究を経て(株)八海山に入社し、麹専門店「千年こうじや」や日本酒・発酵セミナーの立ち上げに携わる。2017年に独立。現在は全国で発酵食文化の啓蒙活動を行う。
今、改めて見直されている発酵食品のおいしさと健康効果。
そのメカニズムや歴史を知って、より上手に食卓に取り入れましょう。
日本の発酵文化に精通する藤本倫子さんに、発酵の基本を教えていただきます。

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商品情報

2023年6月1日

発酵を召しませ

今、改めて見直されている発酵食品のおいしさと健康効果。
そのメカニズムや歴史を知って、より上手に食卓に取り入れましょう。
日本の発酵文化に精通する藤本倫子さんに、発酵の基本を教えていただきます。

  • 発酵とは? 腐敗、熟成とどう違う?ポイントは「微生物」の存在

    •  味噌やしょうゆ、納豆、漬物まで、日本人は「発酵」を味わいと健康の両面で上手に活用してきました。そもそも「発酵」とは、微生物(細菌、酵母、カビなど)が持っている働きを応用して、食材から人間にとって有用な物質を生み出すこと。麹菌や乳酸菌、納豆菌などの菌がこの微生物の一種です。これらが主にたんぱく質をアミノ酸に、でんぷんをブドウ糖に分解することで、消化吸収を高めたり、旨みや風味をアップさせたりします。

       「腐敗」との違いは非常にシンプルで、人にとって有益か有害かの一点にあります。有益であれば発酵、有害であれば腐敗となり、微生物が作用するメカニズムは同じ。そのため、見分け方がわからないという声もよく聞きますが、簡単です。自分の嗅覚を信じるのが一番! 人に備わる”有害物を感知する能力“は非常に優れており、中でも嗅覚は危険物を感知するセンサーになります。もちろん中には、納豆や青カビチーズなど、独特の風味の発酵食品が苦手な方もいるでしょう。ただこれらは、土地環境や生活習慣によって育まれてきた多様な嗜好の一つであり、まさにその地域を表す文化。発酵の奥深さの象徴ともいえます。

       一方で「熟成」とはメカニズム自体が異なります。熟成は、食材自身が持っている酵素などによって栄養素に変化をもたらすこと。つまり微生物は介在していません。

      「酵素」はたんぱく質の一種で、人間や動物、 植物などすべての生物に存在し、化学反応を手助けします。微生物もさまざまな酵素を持っており、酵素の作用によって発酵を行っているというわけです。



    麹菌は国の宝! 麹菌がなければ日本食は成り立たない

    •  ではなぜ、日本食には発酵食品や発酵調味料が多いのでしょう? 理由は味噌・しょうゆ・酒造りに欠かせない「麹菌」の存在にあります。温暖多湿な気候風土から生まれた麹菌は、実は日本固有の菌。国歌と同様に、国の菌「国菌」に認められているほどです。

       麹菌の始まりは約2千年弱前、神様にお供えする蒸した米に自然発生したと考えられています。そこから少しずつ酒造りなどに応用されるようになり、大きく発展したのは室町時代。種麹を培養して販売する生業(種麹屋、もやし屋)が広まったことで、味噌蔵や酒蔵も急速に増えたという説が有力です。戦国時代に入ると、陣中食として重宝されたのが、栄養価・保存性が高い味噌でした。愛知県(尾張)や新潟県(越後)など、名将ゆかりの地に味噌処が多いのはそのため。関東地方における濃口しょうゆや、日本発祥の酢である粕酢は、時代が下った江戸時代に生まれたといわれており、その土地の食材を使った食品加工の走りと考えられています。

       まさに、麹菌がなければ日本食は存在しなかったといえるでしょう。今でも各醸造所は、種麹屋から種麹を買って仕込みを行っており、蔵ごとにオーダーメイドの種麹が作られることもしばしば。このようにさまざまな職人の手によって、日本伝統の味と技術は守り続けられているのです。




    こんなにもいいことずくめ!発酵食品の5大効果

    •  私が八海山に入社した約10年前は、日本の発酵文化はあまりに身近過ぎて、日の目を見ることはほとんどありませんでした。しかし今、その力は大きく見直され、美食や健康面から世界的に注目されています。発酵の効果は大きく5つあります。

      ①旨み・風味が豊かになる
      ②栄養価が高まる
      ③消化吸収がよくなる
      ④腸内環境を整える
      ⑤保存性が上がる

       まず、旨みや風味が豊かになります。これは、発酵の過程でたんぱく質が旨み成分であるアミノ酸に分解されたり、でんぷんがブドウ糖に分解されて甘みが増したりするためです。どのように味に変化が及ぶかは、原料やその配合、種麹、蔵がある土地環境、さらにはそれぞれの蔵に古くから棲み着いた「蔵付き菌」次第。醸造家や種麹屋はこれらすべてを熟知した上で仕込みを行い、おいしい発酵食品を作っています。

       次に、栄養価が高まります。アミノ酸や糖が増えることはもちろん、微生物はビタミン類も多く生成してくれます。また、栄養素の分子が小さくなるということは、消化吸収率アップにも繋がりますし、近年は研究が進み、腸内環境を整え、免疫力の維持に役立つこともわかってきました。これは腸内細胞が、生きて腸までやって来た微生物を敵だと判断し、撃退しなければと常に鍛えられた状態にあるからです。特に植物性乳酸菌、納豆菌、酪酸菌、酢酸菌の4つの菌が生きて腸まで届くことが明らかになりました。こうして強い腸内細胞が備わることで、本当に病原体が侵入してきた時に、きちんと対抗できるというわけです。

       そして、保存性の向上です。市販品には法律上賞味期限が定められていますが、本来上手く扱えばより長い期間保存が可能です。発酵が進むにつれて風味が変化するのも発酵食品の醍醐味の一つ。例えば味噌は冷蔵保存している方がほとんどだと思いますが、あえて常温で保存し、その変化を味わうのも粋な楽しみ方ですよ。


    「細く長く、いろいろ」が大事。無理せず続けよう

    •  最後に、発酵食品をよりおいしく健康的に摂るコツは「無理せず・細く・長く、続けること」です。調理法や種類、頻度にこだわらなくて大丈夫。具体例を挙げて説明します。

       まず、加熱調理も問題ありません。味噌やキムチなど、火を通すと有用菌が死滅して健康効果がないと思っていませんか? 確かに微生物は熱に弱く生きて腸へ届けるためには加熱は避けるべきです。ただし、死菌もオリゴ糖や食物繊維等に変化し、からだに有益な物質となります。ですから、味わい方の一つとして加熱調理も加えていただいてかまいません。

       次に漬物について。漬物はもっとも手軽に摂れる発酵食品の一つ。種類や使われる食材も豊富なので、飽きずに食べられておすすめです。漬物には、ぬか漬けのように乳酸発酵した発酵漬物の他に、梅干しや浅漬けに代表される、塩や調味液に漬けただけの無発酵漬物がありますが、無発酵漬物でも、野菜に元来付いている有益な微生物が残っているので健康効果はあります。神経質になり過ぎずいろいろな漬物を楽しんでください。

       その他の食品の種類や頻度も、好きなものを気付いた時に取り入れてみましょう。毎朝の納豆を習慣にするもよし、新商品を見付けた時に試すくらいでもOK。ちなみに私のおすすめは、麹甘酒です。砂糖代わりに調味料として使えば、自然と摂り続けることができます。もちろん市販品で十分です。とにかく、無理せず・細く・長く、続けることが大切です。

       日本の発酵食品のすごいところは、微生物(自然)の力を借りて、一流料理人が何週間もかけて作る深い旨みを生み出せることだと私は思っています。これ一つで料理の味が決まりからだにもよい、まさに究極の時短と健康食。是非、楽しんで取り入れてください。




    • まとめ

      発酵食品の魅力

      1. 発酵とは、微生物の力を借りて、有用な物質を生み出す作用のこと。風味が豊かになったり新たな栄養素が生まれたりする
      2. 日本の伝統食品や調味料に欠かせないのが、国の菌として認められている「麹菌」
      3. 近年、免疫力にも役立つ菌(微生物)がいることが明らかになってきた
      4. 発酵食品一つで味が決まり、時短と健康食が叶う

      同じ味噌やしょうゆでも、地域やメーカーによって旨みや甘み、香り、見た目が微妙に異なるのが、発酵食品の興味深いところです。
      旅先などで老舗メーカーの発酵食品を手に入れるのも、おもしろい食体験になるのではないかと思います。おいしく楽しくお続けください! よい日々編集 竹村

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藤本 倫子(ふじもと・みちこ)さん
日本発酵文化(株)常務取締役、発酵プロフェッショナル。東京農業大学卒業後、癌細胞研究を経て(株)八海山に入社し、麹専門店「千年こうじや」や日本酒・発酵セミナーの立ち上げに携わる。2017年に独立。現在は全国で発酵食文化の啓蒙活動を行う。