三大栄養素の一つである「タンパク質」。英語ではプロテイン(protein)といい、ギリシャ語の「最も重要なもの」を意味する「プロテイオス」が語源といわれています。事実、私たちのからだから水分を除いた総量の約半分がタンパク質ですから、いかに大切なものかがおわかりいただけるでしょう。
タンパク質は20種類のアミノ酸でできています。食事から摂ったタンパク質は、体内で一度アミノ酸に分解されたのちタンパク質に合成されます。これらが筋肉や骨、皮膚、血管、内臓など全身の組織や器官を作る他、代謝やからだの機能を調整する酵素・ホルモン・神経伝達物質などの材料になります。免疫物質として注目される「抗体」もタンパク質。このような分解と合成が常に行われているため、タンパク質は毎日きちんと摂る必要があります。
20種類のうち9種類は「必須アミノ酸」といい、体内で合成できないか、合成できても必要量に達しないため、食べ物から摂取するしかありません。必須アミノ酸が一つでも不足すると体内におけるタンパク質の合成が不十分になり、下図のように、桶の板が一つでも短いと十分に水を満たせないのと同様のことがからだの中でも起こります。ただ、いろいろな食品のタンパク質を組み合わせれば補い合うことができます。