「油をお飲みなさい」というウド博士の第一声には耳を疑った。
ダイエットは勿論、健康のためにも、できる限り油の摂取を控えるというのが数十年頭に染み付いてきた常識中の常識だったのに、こともあろうに栄養学の大先生から油を飲めと言われるなんて。
そうなのか、多くの油が健康の敵であることは確かだが、生命維持に不可欠な必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6はしっかり味方につけなければならないということなのだ。しかし体内で自然に生成されない必須脂肪酸は食物から摂取するしかないし、オメガ3の良質なものを十分に摂るのは難しい。それでウド博士が研究を重ねて選び抜いた最良の種子原料をブレンドすることによって、必須脂肪酸をバランスよく確保できる画期的な食養油ができあがった。
(実はこれははじめ食用油と書くつもりだったが、パソコンで入力したら最初に食養と出たので、あ、この方が正しいじゃないかと思って、そのままにした)
そういえばヴァンクーヴァーの自然健康食スーパーで、必ず冷蔵庫の中に並べてある特別扱いの油があることが以前から気になっていた。「ウドズ・オイルブレンド*」という名前だが、これはウド博士が調合したオイルということだったのだ。
ウド博士は除草剤による重度の中毒になったのをきっかけに研究にのめりこんでいったというだけに、「油と健康」にかける情熱は半端ではない。
彼の熱弁に圧倒されて、実はしぶしぶ「ウドズ・オイルブレンド」を飲み始めたのだった。
2006年はカナダのフローラを訪ねて、「ウドズ・オイルブレンド」の製造工程や、原料を生産する畑を見学したが、明るい陽光の中を、いささかの濁りも淀みもなく清々しく流れる川に沿って歩くような、実に気持ちのいいツアーだった。ここで生まれた油なら、やはりこのように気持ちよく身体の中を流れていくのだろうという、爽やかなイメージが湧いて来た
- *『ウドズオイル』の旧商品名
- ※原稿、写真はバックナンバーより一部編集し、掲載させていただきました。