有機飼育をしている羽石農場(茨城県)があるのは、国有林と清流に囲まれた山間の静かな場所。鶏たちは、広々とした鶏舎と屋外の運動場を自由に行き来しながら、のびのびと健やかに育ちます。鶏舎のあちこちには、鶏が休むための止まり木も。こうした飼育環境は、「アニマルウェルフェア」という考え方に基づいたものです。
アニマルウェルフェアとは、動物がその動物らしく過ごせる環境で飼育しようという考え方。指標として、?飢えや渇きからの自由?不快からの自由?痛み、傷、病気からの自由?本来の行動をする自由?恐怖や苦悩からの自由の「5つの自由」が提唱されています。つくば鶏でも、鶏がいかに快適に生活できるかを大切にしています。
「大事なのは、鶏の目線になって肌で環境を感じること」と話す細谷さんは、鶏が快適かどうかは「鶏の様子を見て判断する」という飼育の”達人“。スタッフと共に鶏たちをつぶさに観察し、気温や天候の変化に合わせて環境を調整しながら、手間暇かけて鶏を育てています。だから、鶏が病気になることはほとんどなく、抗生物質などの薬も必要ないとか。「有機の鶏肉をつくっているのは日本でここだけ。自分たちにしかできない仕事に喜びを感じています」