ふと頭に手をやれば、触れることができる髪。髪を作る「毛根」は胎児の時に作られ、その数は生涯変わりません。まさに髪とは一生の付き合いだといえるでしょう。特にシニアともなれば、白髪や薄毛、パサつきなど、加齢による髪の悩みが増えてきます。実は、「髪は健康のバロメーター」といえるほど全身の健康と深く関わっており、やはり老化の影響を受けます。そもそも髪とは何か、働きやメカニズムを知り、健康的な髪を保っていきましょう。
まず、髪の主成分はたんぱく質(アミノ酸)、脂質、メラニン色素などで、髪は頭皮の奥にある「毛球」で作られます(下図参照)。髪の素となる細胞が分裂・増殖を繰り返すことで伸びていくのですが、この時に原料としてたくさん必要になるのが血液です。「髪は血液でできている」といっても過言ではなく、詳しくは後述しますが、ヘアケアでは血行改善が重要になってきます。頭皮の毛穴は、アジア人で約4万個。そこから2、3本の髪が生えていますから、全体で10~12万本もの髪が絶え間なく細胞分裂を繰り返していることになります。
髪の大きな役割は、大事な頭(脳)を守ること。クッションとして働いたり紫外線や冷気などを遮ることで頭部を一定の温度に保ったり。他に、老廃物を体外に出す働きもあります。
髪が生えてから抜け落ちるまでを「毛周期(ヘアサイクル)」といい、新しい髪が生えたり伸びたりする「成長期」、髪の成長が止まる「退行期」、髪が抜け落ちる「休止期」の3つのサイクルを、2~6年かけて繰り返します。通常、約4万個の毛穴のうち90~95%は活動していますが、加齢やさまざまな要因で周期が乱れると、休止期の髪が増加。その結果、薄毛や抜け毛、髪質の劣化に繋がります。だからこそ、自然のヘアサイクルを妨げないことが何よりも大事! これこそがヘアケアの基本です。