何よりドイツの人たちは、夏の始まりから終わり頃までは特に、「目一杯に太陽を浴びたい」という、憧れにも近い思いを持っています。それは、10月~3月頃までの冬の期間、空がどんより重く太陽が顔を出さない日々が長く続くからです。日照時間が少なく、普通に生活しているだけでは健康維持に必要なビタミンDが不足してしまうため、サプリメントで補ったり、時間とお金に余裕がある人は南国に出掛けたりするほど。もちろん、近年は強い紫外線が肌や目によくないことが知られるようになり、以前のように長時間、無防備に日光を浴びる人は流石に少なくなりました。しかしそれでも、日本のように帽子を被る・日傘を差すなどの対策をする人はほぼいません。
一方で、サングラスをする習慣は根付いています。元々目の色素が薄く、まぶしさに弱いという理由もあるのですが、紫外線対策も含めて「目のケア」については、ドイツ人は高い意識を持っているといえるでしょう。
例えばドイツ人は、日本人が「どれだけ紫外線を遮断するか」と予防に注力するのに対し、「いかに太陽の恩恵を浴びながら目や肌を守るか?」という考え方から、日中や日焼け後のケアを重視します。具体的には、普段は化粧水や乳液を軽く使うだけのナチュラルメイクの人が、日焼けによる乾燥防止を目的にあえて保湿性が高いフェイスクリームを下地に使ったり、濃い目のアイメイクをしたり。実は、オーガニックのアイライナーやマスカラには、眼精疲労や視力の改善に良いとされるハーブ、アイブライトのエキスや蜜蝋が配合されていて、まつ毛さえも紫外線から守ってくれます。日焼け後は、抗炎症効果のあるアロエベラやハマメリスの成分を含んだアイマスクで目を労るのも定番です。