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丸ごと野菜の力

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  • 丸ごと野菜の力
氏家 京子(うじいえ・きょうこ)さん
食生活・医学ジャーナリスト。国内外の優れた栄養療法や代替療法などを取材し、執筆、翻訳、講演を行う他、オンライン講座やワークショップも開催している。最新著書は写真とレシピが豊富な『野菜で治すクリニック』。アマゾンで好評発売中。
野菜や果物を皮ごと食べる「未精製食」は私たちの健康によいことがたくさん。
不足しがちな必須ミネラルを”丸ごと野菜”で摂りましょう!
植物性未精製食の健康パワーについて、栄養療法に精通する氏家京子さんに教えていただきました。

商品特徴

丸ごと野菜の力

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氏家 京子(うじいえ・きょうこ)さん
食生活・医学ジャーナリスト。国内外の優れた栄養療法や代替療法などを取材し、執筆、翻訳、講演を行う他、オンライン講座やワークショップも開催している。最新著書は写真とレシピが豊富な『野菜で治すクリニック』。アマゾンで好評発売中。
野菜や果物を皮ごと食べる「未精製食」は私たちの健康によいことがたくさん。
不足しがちな必須ミネラルを”丸ごと野菜”で摂りましょう!
植物性未精製食の健康パワーについて、栄養療法に精通する氏家京子さんに教えていただきました。

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2023年3月1日

丸ごと野菜の力

野菜や果物を皮ごと食べる「未精製食」は私たちの健康によいことがたくさん。
不足しがちな必須ミネラルを”丸ごと野菜”で摂りましょう!
植物性未精製食の健康パワーについて、栄養療法に精通する氏家京子さんに教えていただきました。

  • 今、食品の選び方を見直す時

    •  近年「プラントベース・ホールフーズ」の健康効果が世界的に注目されています。「植物性の未精製食」という意味で、植物性の食材を精製加工し過ぎずに食べること。わかりやすくいえば、野菜や果物はなるべく皮ごと食べるなど、より自然に近い状態の植物性食品を指します。

       こうした植物性未精製食は現在、主に葉野菜・根野菜・実野菜・豆科野菜・ナッツ類・タネ類・穀物・果物・きのこ類・藻類・海藻などで、人間の健康に与える効果が研究されており(※1)、「植物性」だけでなく「未精製」が同等に重要視されるのは、精製加工で失われがちな「必須栄養素」を食べることに意味があるからです。

       私たちの生命活動に絶対に必要なのが約50種類の必須栄養素です(※2)。具体的には20〜21種類のミネラル類や13種類のビタミン類、2種類の必須脂肪酸などがあり、もしこの中の一つでも欠ければ、必須栄養素のすべてが本来の力を発揮できず健康に問題が生じます。

       精製加工された食品は、これらの大切な必須栄養素を、食べる前の段階で除いてしまうだけでなく、口にした後の体内からも奪います。

       身近な食品の小麦を例に説明しましょう。パン・麺類・焼き菓子・調味料など、多くの加工食品に使われているのが精白小麦です。小麦には、全粒粉に代表される未精製の場合、必須ミネラルであるカルシウムとマグネシウムが1対4の比率で含まれていますが、精白すると7対1に逆転します(※3)。精製によって、マグネシウムの量が劇的に減ることが要因といわれています。

       カルシウムが残るから骨の健康には影響がないのでは? と考える方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、それは間違い。実は、食事中のカルシウムは、マグネシウムが豊富にある時にしか吸収されません。マグネシウムが不足していると、せっかく口にしたカルシウムも体内を素通りしてしまい、役に立たないのです。どうですか? 未精製食品の重要性を少しは感じていただけたでしょうか。

       現代の食生活ではこのように必須栄養素を奪う要因が増えているため、食生活全体の見直しが必要です。次の表に示した主な要因を、是非ご自身の食生活と照らし合わせ、植物性の未精製食を選択肢に加えてみてください。





    丸ごと野菜は、細胞を元気に回復させる

    •  植物性の未精製食とミネラルとの関係について、より詳しく見ていきましょう。

       私たちのからだの健康な細胞内では、「カリウム対ナトリウム=5対1」という比率でミネラルバランスが保たれています。これにより細胞内の水分量が適切にコントロールされ、エネルギー代謝などあらゆる仕事が円滑に進み日々の健康が維持されています。

       ところが、病気の細胞内のミネラル比率を研究したところ、「カリウム対ナトリウム=1対20」と大きく逆転していることがわかりました(※4)。この場合、ナトリウムが多過ぎるせいで細胞内の水分量が過剰になり、細胞そのものの機能が低下するだけでなく、水溜まりによってからだは重く、冷えやすくなってしまいます。

       こうした細胞を元気に回復させるための理想的なミネラル比率を持つ食材群が、植物性の未精製食です。さらに植物性の未精製食には、他の必須ミネラルも豊富に含まれているため(※5)、積極的に食事に取り入れることで細胞内のさまざまなミネラルバランスが整い、全体を最適な状態に回復させるのに役立ちます。ポイントは、多様な食材を一緒に食べること。そして、ナトリウムを多く含む塩分の摂り過ぎに注意することです。これを機に一度、ご自身の食事の内容を見直してみてください。

       それから、必須ミネラルの摂取において大事なことがもう一つ。種類や量だけでなく「バランス」が取れた食品を選ぶことが何よりも重要です。というのも、ミネラルは互いに拮抗作用や相乗作用を持っているため(※6)、足りないミネラルを1種類だけサプリメントで補うという方法では、最適なミネラルバランスに整えることが難しく、別のミネラルを追い出してしまったり過剰にしてしまったりして、いつまでも全体のバランスが整いません。これでは細胞も元気に回復できなくなります。

       植物性未精製食は、この絶妙なミネラルバランスの回復も助けてくれます。特に、農薬や化学肥料を使わず微生物の豊かな土壌で育った植物ほど、最適なミネラルバランスを自然に備えているので、よりおすすめです。収穫された後の日持ちがよいのも、健康に生育した証といえるでしょう。

       最後に、植物性の未精製食は、私たちの生命活動で発生する、活性酸素のフリーラジカル(からだの老化を招く酸化ストレスの要因の一つ)を消去する、抗酸化栄養素も豊富に含んでいます。特に、光を浴びる皮膚細胞ではフリーラジカルが常に発生し、他の物質と次々に反応をして新しいフリーラジカルを生み続けます。これが放置されれば、細胞膜の損傷やたんぱく質生合成の減少、DNAの損傷を引き起こし、組織全体の機能が低下しかねません。抗酸化栄養素は果物や野菜の皮に多いので、可能なものは、積極的に皮も食事に活用しましょう(※7)。有機栽培や減農薬で育てられたものであれば、安心して丸ごと食べられますよね。是非、未精製食を上手に取り入れてみてください。


    おすすめ野菜レシピ

    • ほうれん草の玉ねぎ蒸し煮


      ほうれん草のお浸しとは一味違う、クリーミーなほうれん草を味わってみてください。ほうれん草から出るシュウ酸を捨てることで鉄などのミネラルの吸収をよくし、貧血対策に役立ちます。



      材料(2人分)
      ほうれん草 … 200g
      玉ねぎ … 1〜1.5個
      にんにく … 4〜5片



      作り方
      ❶ 材料はきれいに洗う。

      ❷ ほうれん草は4〜5cm長さに切る。玉ねぎは外側の皮をむき、なるべく薄く輪切りに、にんにくも皮をむいて薄くスライスする。

      ❸ 鍋の底に玉ねぎとにんにくを平らに並べ、極弱火で1分程加熱する。

      ❹ 玉ねぎから水分が出てきたら、ほうれん草を加えて蓋をし、極弱火のまま30〜40分加熱する。途中、焦げないように注意しながら、水分が足りなくなったら水大さじ1〜2杯を足す。

      ❺ ほうれん草がとろっと蒸し上がったら完成。

      ※煮汁にはシュウ酸が含まれるので捨てる。

    • まとめ

      丸ごと野菜の力とは?

      1. 人間の生命活動に絶対に必要な必須ミネラルを始めとする、必須栄養素が豊富
      2. 細胞膜やDNAの損傷を招く活性酸素に対抗する、抗酸化栄養素が豊富
      3. 1や2の効果を享受するために、野菜などの農作物は、できるだけ丸ごと食べる。加工食品は未精製の食材を使用しているものを選ぶ
      4. オーガニックやそれに近い品質のものがよい

      氏家さんの最新著書『野菜で治すクリニック』には、今回ご紹介したレシピを含め、野菜の力を効果的に引き出すレシピが多数掲載されています。一般的な料理本では見かけない、ちょっと珍しい調理法にチャレンジしてはいかがでしょうか? 野菜の新しい味に感動していただけると思います。 よい日々編集 竹村

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氏家 京子(うじいえ・きょうこ)さん
食生活・医学ジャーナリスト。国内外の優れた栄養療法や代替療法などを取材し、執筆、翻訳、講演を行う他、オンライン講座やワークショップも開催している。最新著書は写真とレシピが豊富な『野菜で治すクリニック』。アマゾンで好評発売中。