夏の訪れと共に気になる紫外線。「眼も日焼けをする」と聞くと驚くかもしれませんが、実は眼も皮膚と同様に紫外線のダメージを受けます。むしろ、モノを見ようと光を集める分、影響を受けやすいといってもよいかもしれません。
そもそも加齢に伴い、眼にもさまざまなトラブルが生じます。中でも、遅かれ早かれシニアに必ず起こるのが「老眼」と「白内障」です。
老眼はまさに眼の加齢現象の代表例。ピント調節機能の衰えによって起こる症状で、45歳くらいから70歳くらいにかけて進行するのが一般的といわれています。私たちの眼は、レンズの働きをする「水晶体」の厚みを、その周りにある「毛様体筋」という筋肉が調節することで光の屈折を変えてピントを合わせているのですが、加齢に伴って水晶体が硬くなったり毛様体筋が衰えたりすると、このピント調節が難しくなり、手元や細かい文字が見えづらくなります。
白内障は、加齢と共に水晶体の中のたんぱく質が変性して白く濁ることで視力が低下する疾患です。本来は透明であるはずのレンズが濁ることで、モヤがかかったような見え方になったり、二重に見えたり。暗い場所が見えにくい、少しの光をすごくまぶしく感じるといった症状も白内障の特徴です。こちらは50代くらいから始まり80代まで進むといわれています。
こうした老眼や白内障は、「本をよく読む人や、長時間パソコン作業を行う人が罹りやすい」と思われているかもしれませんが、主な要因はあくまで加齢。つまり「眼の使い方」より、不規則な生活やバランスの悪い食事など「老化しやすい生活」がこれらを進行させるため、全身の健康が眼にとっても重要というわけです。
この他、「緑内障」「加齢黄斑変性」「ドライアイ」(3ページ参照)もシニアに多い眼の疾患。特に緑内障は失明原因の第1位といわれるほど危険性が高く、できるだけ避けたい病気です。