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食中毒にご用心

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  • 食中毒にご用心
安藤 ゆりえさん
管理栄養士・みりんスイーツ研究家。大学卒業後、管理栄養士として老人保健施設で高齢者の栄養管理に従事。現在は「血糖値を考えた食べ方」に着目し、シニア向け料理教室の講師や三河みりんの普及に力を入れる。
気温や湿度が高くなるにつれて心配になる「食中毒」。家庭ではどんなことに気を付ければよいのでしょう。「食中毒予防の3原則」から取り入れやすい対策までを、管理栄養士・安藤ゆりえさんに教えていただきます。

商品特徴

食中毒にご用心

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安藤 ゆりえさん
管理栄養士・みりんスイーツ研究家。大学卒業後、管理栄養士として老人保健施設で高齢者の栄養管理に従事。現在は「血糖値を考えた食べ方」に着目し、シニア向け料理教室の講師や三河みりんの普及に力を入れる。
気温や湿度が高くなるにつれて心配になる「食中毒」。家庭ではどんなことに気を付ければよいのでしょう。「食中毒予防の3原則」から取り入れやすい対策までを、管理栄養士・安藤ゆりえさんに教えていただきます。

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2024年6月1日

食中毒にご用心

気温や湿度が高くなるにつれて心配になる「食中毒」。家庭ではどんなことに気を付ければよいのでしょう。「食中毒予防の3原則」から取り入れやすい対策までを、管理栄養士・安藤ゆりえさんに教えていただきます。

  • そもそも食中毒とは?罹患の分け目は免疫力

    •  身近に存在する健康リスクとして注意したい「食中毒」。毎日の食事と密接な関係にあるため、いつ誰に起こっても不思議ではありません。

       そもそも食中毒とは、からだにとって有害な細菌やウイルスなどの物質が付着した食べ物を摂ることによって生じる不調の総称です。ノロウイルスのように、感染後にも人から人へ飛沫・空気感染するものもあれば、フグやきのこの自然毒、寄生虫による体調不良も食中毒の一種。共通する症状には下痢、嘔吐、腹痛、発熱などがあり、体内に入った有害物質を追い出そうと、からだが抵抗している証です。

       こう考えると食中毒は季節を問わず発生しているのですが、夏や冬になると増加するイメージはありませんか? これは、食中毒の原因となる有害物質の違いが大きく関係しています。

       まず、今から夏場にかけて増えるのは「細菌性」の食中毒です。O157、カンピロバクターなどが代表例で、細菌は、20〜40度の環境下で増殖しやすいという性質を持つため、この条件に当てはまる夏に食中毒が増える傾向があります。

       一方で冬に多発するのは、ノロウイルスに代表される「ウイルス性」の食中毒。ウイルスは、気温が低く乾燥した環境下で増殖しやすいことから、冬にも食中毒が多く発生します。

       ただし、同じものを食べても、症状が出る人と出ない人がいますよね。これは、健康状態…、つまり体調や免疫力の差によるもの。例えば健康な人の場合、多少の食中毒菌を摂っても、胃酸で殺菌したり腸内細菌が増殖を抑えたりして症状を最小限にすることができますが、体調が優れない時や子供、高齢者など、免疫力が低い人の場合はこれらの対応ができず、不調として現れることに。特に高齢者は、そもそもの免疫力が衰えている上に持病がある人も多いため、少量・弱毒の食中毒菌でも症状が出やすく重症になる傾向があり注意が必要です。




    「食中毒予防の3原則」は付けない・増やさない・やっつける

    •  では、どのように対策すればよいのでしょう。今回は、これからの季節に増加する細菌性の食中毒に重点を置いてお伝えしていきます。初めに、厚生労働省が提唱する「細菌性食中毒予防の3原則」である「付けない・増やさない・やっつける」を押さえましょう。

       まず「付けない」とは文字通り、食中毒の原因となる細菌を食べ物に付着させないことです。菌は主に、生の肉や魚、野菜などの表面に存在しています。これらを他の食品や食器などに移さないよう、食材は清潔に扱うことが食中毒予防の第一歩。また、菌は買い物や調理の際に、手指から調理器具などを介して他の食品を汚染することもあるので、「正しい手洗い」も食中毒菌を付けないために欠かせない対策です。

      「増やさない」という考えも覚えておいてください。もし食品に食中毒菌が付いてしまったとしても、不調を起こす量まで増えなければ大事には至りません。菌が増殖する要因は「気温・湿度・時間」。これらに注意し、菌が好む環境を極力避けることで増殖を防ぐことができます。

       最後の「やっつける」は、菌の撃退、つまり殺菌です。一般的に、食中毒を起こす菌の多くは熱に弱いといわれています。菌が付着してしまってもきちんと退治することができれば安全に食べられます。「75度以上で1分間、中心部まで加熱する」ことを心がけましょう(※ただしノロウイルスは85度以上で1分間)。半熟卵やレアの肉もおいしいですが、少なくとも夏場は避けたほうが安心です。




  • 実践! 暮らしで役立つ4つの食中毒対策ポイント

    •  ではいよいよ実践編です! 先ほどの3原則を踏まえた上で、具体的には次の4点に注意して行動してください。

      ① 洗う まず何より、食事・調理に関わるすべてのものはしっかり洗浄・消毒しましょう。食材はもちろん、調理器具、食器、ふきんなども常に清潔に。繰り返しになりますが、手洗いはこまめに行うこと。菌が付いた手でいろいろなものを触るとリスクが広がってしまいます。食事前や調理前だけでなく、調理中に生の肉や魚を扱った後も、欠かさず行ってください。

      ② 分ける 食中毒菌が付着している可能性が高い生の肉や魚は、購入時・保存時・調理時共に他の食材と分けることで食中毒のリスクを減らすことができます。ドリップが他の食材に付くと菌が広がってしまうため、ビニール袋に入れる、まな板を別にするなどの対策が有効です。

      ③ 早めに 夏場の常温(20〜40度)は、食中毒菌が増殖する条件がそろっています。買い物後はできるだけ早く帰宅して食品を冷蔵庫へ入れ、調理後は早めに食べるなど菌が好む環境下に極力食品を置かないよう心がけましょう。目安は「2時間」。常温に2時間以上放置すると菌が増殖する危険性が急激に高まります。作り置きしたものも粗熱を取ったら早めに冷却を。

      ④ 加熱する 食材の中心までしっかり加熱すれば、ほとんどの菌は死滅させることができます。生から調理したものだけでなく、作り置きしたものもムラなく再加熱して食べましょう。

       4ページにイラスト付きのより詳しい解説を載せていますので、是非一つひとつ確認して取り組んでみてください。






    しっかり見直そう!食中毒リスクを避ける生活術

    •  最後に、日常生活で誤りがちな対策や、知っておいていただきたい注意点をお伝えします。

      ◆冷凍食品の解凍は、できれば冷蔵庫で
       時間短縮のためと、冷凍食品を常温解凍する方も多いかもしれません。しかし少なくとも今の時季は、容器に記載されている方法での解凍を基本としながら、冷蔵庫で解凍するほうが安心です。特に生の肉や魚には要注意。そもそも生肉・生魚は冷蔵品ですから、冷蔵での解凍をおすすめします。すぐに使いたい場合は流水や電子レンジの解凍機能を活用してください。表記のないものや手作りの冷凍惣菜もできるだけ冷蔵解凍し、再加熱して食べましょう。

      ◆生肉を洗うのはダメ!
       食中毒予防の基本は、食材を清潔に扱うことだとお伝えしましたが、生肉を洗うのは避けてください。確かに肉の表面には食中毒菌が付着している可能性があり、洗いたくなるかもしれません。しかし生肉を洗うと、肉に付いていた菌がシンクや調理器具、他の食品などに飛び散る危険性があります。

      ◆持ち帰りの惣菜は、早めに食べるか冷蔵庫へ
       最近は、お弁当や惣菜をテイクアウトできる飲食店も増えました。しかしこれらは店内飲食する時と比較して、調理してから食べるまでの時間が長くなるためより注意が必要です。購入したらすぐに帰宅して長時間持ち歩かないこと、帰ったらすぐに食べるか、すぐに食べない場合は早めに冷蔵庫で保存してください。

      ◆無添加、ヘルシーな食品は傷みやすい
       防腐剤や保存料が入っていない無添加の食品や、低塩・低糖質の食品はからだによく、できれば積極的に選びたいものです。しかし、これらは余計なものが入っていないからこそ傷みやすいのが弱点。常温での保存は避け、早めに食べきりましょう。

      ◆食器のつけ置き洗いは洗剤とセットで
       食べ終わった後にも食中毒の危険性は残っています。つけ置き洗いです。10分程度水に浸けて置く分には問題ありませんが、長時間放置すると、菌が好む高温・高湿の条件がそろい増殖を促してしまいます。なるべく早めに洗うことを大前提として、つけ置きする場合は少量の洗剤を水に加えておくとよいでしょう。食器洗い用スポンジも、汚れや水気が残っていると菌が増殖します。洗い終わったらよくすすぎ、水気を切って乾かすようにしてください。

      ◆下痢止め・胃腸薬の服用はちょっと待って!
       下痢や嘔吐など食中毒の典型的な症状が出ても自己判断で下痢止めや胃腸薬を服用せず、まず医師に診てもらうのが懸命です。これらの薬を飲むと菌やウイルスが体内から出ていかず、症状が悪化する場合も。3日分ほど食べたものを思い出し、食事の内容や調子が悪くなった時期、症状、便の様子を記録しておきましょう。



    万全の対策&免疫力維持で夏をおいしく健康に!

    •  このように、食中毒対策には気を付けなければいけないことがたくさんあります。しかし、一番の予防法は「バランスのよい食事」「適切な運動」「十分な休養と睡眠」という健康作りの大原則です。それから、体内最大の免疫器官である腸の健康を保ち、腸内細菌のバランスを整えることも大切。心身共に健康なからだに免疫力が備われば、食中毒菌にも対抗できます。今回お伝えした対策法と日々の健康管理で、夏の食事をおいしく健康に楽しみましょう!


    • まとめ

      食中毒対策の基本

      1. 食中毒の原因は主に「細菌性」と「ウイルス性」があり、夏場に注意したいのは、「細菌性」
      2. 加齢と共に現れる腰の不調の主な原因は、運動不足による筋力や骨の衰え
      3. 免疫力低下を招かないように、規則正しい生活を心がけ、腸内環境も整えましょう

      真夏は注意する方が多いと思いますが、少し涼しくなり始める9月以降でも対策を緩めないようにしましょう。特に、食材や調理済みの料理を室温に放置するのは危険です。
      また、夏バテでからだやお腹の調子を崩すと、さらに免疫力低下を招きます。体調管理には十分お気を付けください。
      よい日々編集 竹村

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安藤 ゆりえさん
管理栄養士・みりんスイーツ研究家。大学卒業後、管理栄養士として老人保健施設で高齢者の栄養管理に従事。現在は「血糖値を考えた食べ方」に着目し、シニア向け料理教室の講師や三河みりんの普及に力を入れる。