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栄養素・成分辞典 腸内環境を整える強い味方『オリゴ糖』

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2019年9月1日

栄養素・成分辞典 腸内環境を整える強い味方『オリゴ糖』

  • #栄養素・成分辞典
  • #オリゴ糖
栄養素・成分辞典 腸内環境を整える強い味方『オリゴ糖』

  • オリゴ糖は、糖質の仲間です

    • 　オリゴ糖の「オリゴ」とは、ギリシア語で「少ない」という意味で、糖質の最小単位である単糖（ブドウ糖や果糖等）が3～10個結合した糖質の総称で少糖類の仲間です。

      　オリゴ糖は、「虫歯にならない糖」の開発を目的に研究が始まりました。その後、研究が進められ、さまざまな種類のオリゴ糖が開発されています。フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖などの種類があり、それぞれ野菜や果物、母乳や牛乳、発酵食品などに含まれています。

      　同じ少糖類である砂糖（ショ糖）は、単糖や他の栄養素と同様に小腸で吸収されて、私たちのからだのエネルギー源になりますが、一方オリゴ糖は、唾液や胃液、小腸内の消化酵素ではほとんど分解されないため、小腸を通過して大腸に到達します。これを「難消化性（なんしょうかせい）」と言います。

      　つまり、オリゴ糖は、エネルギー源として吸収されにくい性質を持っているので、砂糖より低カロリーになり、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。糖尿病の予防・改善を目指す人にもおすすめの成分です。

    ビフィズス菌のエサになる

    • 　大腸まで達したオリゴ糖にはもう一つ重要な役割があります。小腸で吸収されずエネルギー源にならない代わりに、大腸内に存在するビフィズス菌の栄養源になるのです。

      　オリゴ糖をエサにして増殖したビフィズス菌は、代謝によって乳酸や酢酸等の有機物を作り出します。すると、腸内は酸性に傾き、腸内細菌の好む弱酸性の環境となり、大腸菌やウェルシュ菌等の有害な菌の増殖を抑えてくれます。その結果、ビフィズス菌の割合が増えることで腸内フローラのバランスが改善されます。

      　加えて、乳酸や酢酸の刺激で腸の蠕動が活発になり便通も改善されることから、特定保健用食品（＊）の成分としても認められています。

      　そのほかにも、腸内環境が改善することで、美肌、生活習慣病予防、免疫力向上、アレルギー症状の軽減など、さまざまな効果が期待できます。

    オリゴ糖を効率的に摂るには？

    • 　オリゴ糖はゴボウ、玉ねぎ、アスパラガス、インゲン、バナナ、乳製品、大豆などの豆類、きな粉、甜菜などの食品に含まれますが、どれもその量はわずかです。健康効果を期待するほどの量を食品から摂取するのは難しいので、サプリメントや健康食品等を上手に活用するとよいでしょう。

      　また、腸内環境の改善を目的とする場合は、オリゴ糖単体よりも、食物繊維や乳酸菌、ビフィズス菌などと一緒に摂れば効果がさらに高まります。


      ＊特定保健用食品とは
      　健康の維持や増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、どのような機能を持つか表示することを許可されている食品。表示されている効果や安全性については、国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可をしている。


      サプリメント利用の場合は摂取量の確認をしましょう

      オリゴ糖を摂りすぎるとお腹にガスが溜まったり、便がゆるくなる場合がありますので、量を調節するなど注意が必要です。
      また、サプリメントや健康食品と一口に言っても、使われているオリゴ糖の種類、含有量はさまざまで、甘みを強く感じさせるために、砂糖（ショ糖）などを加えている場合もあります。商品を選ぶ際には成分表示を確認しましょう。

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