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進化する健康管理

進化する健康管理
  • 進化する健康管理
佐野正行 (さの・まさゆき)先生

外科医として約16年のキャリアを積んだのち、現在は、治療から健康相談までを総合的にサポートする取り組みを精力的に行っている。
(株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー代表。ナチュラルクリニック代々木 医師。マーキュリーアカデミー校長。NPO法人 予防医学・代替医療振興協会学術理事。日本産業医協会会長。
佐野正行(さの・まさゆき)先生



外科医として約16年のキャリアを積んだのち、現在は、治療から健康相談までを総合的にサポートする取り組みを精力的に行っている。
(株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー代表。ナチュラルクリニック代々木 医師。マーキュリーアカデミー校長。NPO法人 予防医学・代替医療振興協会学術理事。日本産業医協会会長。
外科医としての経験を活かし、治療から健康相談まで総合的なサポートをしている医師・佐野正行先生に、今を生きる私たちに必要な健康管理の方法を教えていただきます。

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商品特徴

昔の生活と今の生活。変化がもたらす現代の健康リスク
 「健康のためには昔と同じ生活をするのがよい」とよく言われます。現代においてこれは半分正しく、もう半分は適切ではないと私は考えます。なぜなら、現代と昔の生活では、大きく違う点が3つあるからです。

 1つ目は、生活を取り巻く環境全般が昔より悪化していることです。人口が過密になり、自然が減り、大気汚染が進んでいます。食生活は一見豊かになりましたが、農薬が大量に使われ、不自然な加工や人工的な添加物で味付けされた食べ物が溢れ、本来の食の意味や役割が理想とかけ離れています。いつでもどこでも手軽に食べられるため、空腹を感じる時間がなく、食べ過ぎてしまうことも問題です。

 2つ目は、昔には感じることがなかったストレスが増えていることです。絶えず何かに追われているような現代の生活。それに加え、デジタルツールの普及が新たなストレスも生み出しています。

 3つ目は、寿命が大きく延びたことです。江戸時代の頃は人生五十年と言われたものですが、今や七十年、八十年は当たり前、最近では百二十歳を目指すとおっしゃる方もいるくらいです。

現代社会で多い病気の種類は?その筆頭は、やはり「がん」
  • 進化する健康管理
 環境や食生活の悪化、新たなストレスの増加、そして寿命が延びたこと。これらに伴って、病気の種類も変化してきました。食や睡眠といった生活習慣の乱れに起因する血管や血液の病気、解毒を担っている肝臓や腎臓の病気、腸内環境の悪化などによる腸の病気やアレルギーなど。現代人は全身の臓器が疲れきっています。直接の死因には結びつかなくても、生活の質(QOL:Quality of Life)を下げる病気が近年になって急激に増えています(図1)。

 そして、現代の病気の代表として挙げられるのは、やはり「がん」です。がんになる方が増えているだけでなく、女性ホルモンが関係している婦人科系のがんなどが低年齢化してきています。

食習慣が病気を招く。客観的なデータが示す変化の恐さ
  • 進化する健康管理
 意外なデータを2つお見せします。1つは、日本とアメリカのがんによる死亡率の推移をグラフにしたものです(図2)。ご覧のとおり、日本ではがんの死亡率の上昇が続いていますが、アメリカでは1991年をピークに減ってきています。1995年を境に、がんで死亡する人はアメリカより日本のほうがどんどん多くなっています。

 もう1つは、日米それぞれの野菜摂取量の推移を表したデータです(図3)。がんのグラフと反比例しているのは一目瞭然で、がんの死亡率と同じく、日米は1995年に逆転しています。和食は野菜が多くてヘルシー、アメリカの食事はジャンクで野菜が足りないと思われてきましたが、それはもはや一昔前のイメージです。

 もちろん、がんの原因は食べ物だけではありませんが、これら2つのデータは、食習慣の変化ががんを誘発する原因の1つであることを示しています。日本人は野菜不足を認識しなければいけません。食事の内容を見直すことは、がんやその他の病気の予防につながります。

西洋医学で病気を治療するメリット・デメリットを知る
 寿命が延びた現代、どんなに気をつけても病気は避けられなくなってきました。病気になった時、多くの方は一般的な西洋医学の病院で治療を受けますので、病院の治療でできること、西洋医学のメリット・デメリットを知り、上手に活用することも、現代の健康管理にはとても必要なことです。

 病院での治療とは、形や数値の異常を画像や血液の検査で調べ、異常な数値を薬で正常値に整える、悪いところを外科的な処置で取り除いたり整えたりする、痛みやかゆみなどの不快な症状を抑える、といった「形や数値を健常な状態にする」ことに主眼をおいています。これが病院でやるべきことであり、メリットと言えます。しかし西洋医学には、副作用というデメリットもあります。薬の副作用だけでなく、例えば胃がんを切除した結果、胃が小さくなり、「生活の質が低下する」ことも大きな副作用です。

 医師が診るのは病気であって、患者さんの健康全般を網羅しているわけではありません。そこで皆さんに必要になるのは、病気やその原因を根本から見つめ直し、からだを整える「養生」という考え方です。外科医として15年、がんの切除術をしてきた私の経験から言っても、きちんとからだを整えてから手術を受けた人と、そうでない人とでは、手術の危険度も、術後の経過も、副作用の強さも変わることを実感しています。

 一方で、西洋医学の治療をやめて、養生や自然療法だけで治そうとする患者さんも見てきました。この場合の問題は、その療法がよい結果につながっているかについて、客観的な評価を行わない方が多くいらっしゃることにあります。西洋医学には、腫瘍マーカーや超音波検査、血液や尿の数値といったさまざまな評価の方法があります。これを利用しない手はありません。西洋医学と養生は、本来、相反するものではなく、どちらも必要で共存した方がいいと考えています。

現代の健康管理に必要なのは養生、そして情報の取捨選択
 病気を治すには医療と養生、どちらも必要であることをお話ししました。養生は病気の予防にも有効であり、日々の生活で自ら行えるものです。具体的に何をすればよいか迷ったときは、まずは、「昔ながらの生活」をイメージするとよいでしょう。日が昇ったら起きてからだをよく使い、日が沈んだら寝る。きちんと空腹になってから、季節に合った旬の自然な食材を使った料理を作り、食事はよく噛んで、腹八分目に食べる。そして、現代に必要な養生としては、例えば、からだの酸化を抑えるために意識して自然の多い場所に出掛ける、夏に腹巻きを身に着ける、からだを冷やさない食事を摂る、などを加えることをおすすめします。

 もう1つ、現代の健康管理で肝心なことがあります。それは知り得た情報や知識について、自分で判断し、行動できるようになることです。現代の情報社会では日々膨大な情報が発信されており、玉石混交の中から正しいものを的確に選ぶのは至難の業です。私が考える信頼できる情報の目安は、「その情報はお金を払って得たものか」「情報を発信している人は、その道を一途にやってきた経験者か」、この2点です。病気になる前に、健康相談もできる医療者とのつながりを持つことも、これからはとても大切なことだと思います。

 いざ体調不良になったら病院に行って薬をもらえばいい、ということでは、ここで得た情報が生かされたことにはなりません。養生、医療、情報、知識をバランスよく取り入れて、いいと思ったことは自ら行動を起こしてみましょう。

数十年前まで当然だったことが、科学や医療などの進歩に伴い、今では非常識になっていることが多くあります。最新の健康情報について佐野先生に解説していただきます。
1日3食は必要ですか?
A
からだの調子を見ながら、
食事の回数や量を決めましょう。
1日の食事回数は、年代や生活習慣などによって違います。
成長期の子どもには、軽い食事も含めて4食必要ですし、活動量が少ないシニアは、2食が適した方もいます。「便通が毎日あるか」「お腹が空いている時間があるか」「昼間、元気に活動できているか」をみて、食事の回数を決めてください。
また、回数だけでなくボリュームや食べるタイミングも調整しましょう。
仕事の都合などで夜遅くにボリュームがある食事を摂ることが多いなら、腸を休ませる時間を取り、睡眠の質を高めるために、「夜は軽めにし、おなかの空いた朝にしっかり食事を摂る」ようにすることが大切です。
医学的に理想的な体重は?
A
長寿の方は、BMI(肥満指数)
22~23という調査結果が出ています。
私が経験から得た感触ですが、胃がんの手術後、生活習慣や食事を改善し、健康を取り戻した男性の多くは、BMIが18~19に落ち着く傾向がありました。そのあたりから、長生き体重の22~23までに保つのが理想的だと感じています。

減塩の効果的な方法は?
A
ミネラルを含む質のよい塩を使い、
添加物が多用された塩蔵食品は控える。
塩分は1日8gなどと言われていますが、毎日、塩分を計量するのは大変ですし、減塩できたとしても、おいしくなければ別のストレスがたまります。第一、複合調味料が多い現代では、塩分量を正確に把握するのは不可能です。それよりも、「ミネラルが残る上質な塩を、最低限おいしさを感じる量で使う」のが合理的です。
また、干物や塩辛などの塩蔵食品には、添加物が多く使われている場合があり、塩分量よりもその添加物が病気の原因となる可能性があるとの調査結果もあります。
血圧が心配なら、いつもの食事と、減塩した食事をそれぞれ1~2週間ずつ試してみてください。血圧の変動を見れば、減塩の効果を確認することができます。
健康診断の正しい活用法は?
A
1年ごとの体調の変化を確認し、
生活を整えるきっかけにする。
健康診断は今の状態を把握するために行います。よい結果を出すために、その時だけ生活を改善するのは意味がありません。普段通りに生活をして受けましょう。
結果については、標準値の範囲なら安心ということではなく、前回との比較、どのような傾向性があるかを確認してください。結果の見方も含めて相談ができる医師がいる病院で毎年受けることができるとベストです。
また、人間は少しずつの変化には気づきにくいものです。
例えば、体重が毎年2kg増えたとしても、あまり気になりませんが、5年で10kgだったら、注視しなければいけません。
このように、定期的に客観的な数値を知れば、生活習慣を見直すことができ、とても有意義な機会になります。

まとめ

現代の健康管理に必要なこと

現代の健康リスクである「環境や食生活の悪化」「ストレス」「寿命の延長」などが原因と考えられる病気や不調が増えていることを知る
自分の状態を客観的なデータで確認する
病気の治療には、養生の考え方も取り入れる
健康相談ができる医療者とのつながりを持つ
得た知識や情報は取捨選択し、自ら行動する

今回は一つの例として、日本とアメリカの野菜消費量とがんの死亡率の関係性を示すグラフをご紹介しました。このようなデータを、自分のこととして置き換え、食生活を見直すきっかけにしていただければと思っています。(よい日々編集 竹村)

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佐野正行 (さの・まさゆき)先生

外科医として約16年のキャリアを積んだのち、現在は、治療から健康相談までを総合的にサポートする取り組みを精力的に行っている。
(株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー代表。ナチュラルクリニック代々木 医師。マーキュリーアカデミー校長。NPO法人 予防医学・代替医療振興協会学術理事。日本産業医協会会長。
佐野正行(さの・まさゆき)先生



外科医として約16年のキャリアを積んだのち、現在は、治療から健康相談までを総合的にサポートする取り組みを精力的に行っている。
(株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー代表。ナチュラルクリニック代々木 医師。マーキュリーアカデミー校長。NPO法人 予防医学・代替医療振興協会学術理事。日本産業医協会会長。
外科医としての経験を活かし、治療から健康相談まで総合的なサポートをしている医師・佐野正行先生に、今を生きる私たちに必要な健康管理の方法を教えていただきます。

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商品情報

2019年5月7日

進化する健康管理

外科医としての経験を活かし、治療から健康相談まで総合的なサポートをしている医師・佐野正行先生に、今を生きる私たちに必要な健康管理の方法を教えていただきます。

昔の生活と今の生活。変化がもたらす現代の健康リスク

  •  「健康のためには昔と同じ生活をするのがよい」とよく言われます。現代においてこれは半分正しく、もう半分は適切ではないと私は考えます。なぜなら、現代と昔の生活では、大きく違う点が3つあるからです。

     1つ目は、生活を取り巻く環境全般が昔より悪化していることです。人口が過密になり、自然が減り、大気汚染が進んでいます。食生活は一見豊かになりましたが、農薬が大量に使われ、不自然な加工や人工的な添加物で味付けされた食べ物が溢れ、本来の食の意味や役割が理想とかけ離れています。いつでもどこでも手軽に食べられるため、空腹を感じる時間がなく、食べ過ぎてしまうことも問題です。

     2つ目は、昔には感じることがなかったストレスが増えていることです。絶えず何かに追われているような現代の生活。それに加え、デジタルツールの普及が新たなストレスも生み出しています。

     3つ目は、寿命が大きく延びたことです。江戸時代の頃は人生五十年と言われたものですが、今や七十年、八十年は当たり前、最近では百二十歳を目指すとおっしゃる方もいるくらいです。

現代社会で多い病気の種類は?その筆頭は、やはり「がん」

  •  環境や食生活の悪化、新たなストレスの増加、そして寿命が延びたこと。これらに伴って、病気の種類も変化してきました。食や睡眠といった生活習慣の乱れに起因する血管や血液の病気、解毒を担っている肝臓や腎臓の病気、腸内環境の悪化などによる腸の病気やアレルギーなど。現代人は全身の臓器が疲れきっています。直接の死因には結びつかなくても、生活の質(QOL:Quality of Life)を下げる病気が近年になって急激に増えています(図1)。

     そして、現代の病気の代表として挙げられるのは、やはり「がん」です。がんになる方が増えているだけでなく、女性ホルモンが関係している婦人科系のがんなどが低年齢化してきています。

  • 進化する健康管理

食習慣が病気を招く。客観的なデータが示す変化の恐さ

  •  意外なデータを2つお見せします。1つは、日本とアメリカのがんによる死亡率の推移をグラフにしたものです(図2)。ご覧のとおり、日本ではがんの死亡率の上昇が続いていますが、アメリカでは1991年をピークに減ってきています。1995年を境に、がんで死亡する人はアメリカより日本のほうがどんどん多くなっています。

     もう1つは、日米それぞれの野菜摂取量の推移を表したデータです(図3)。がんのグラフと反比例しているのは一目瞭然で、がんの死亡率と同じく、日米は1995年に逆転しています。和食は野菜が多くてヘルシー、アメリカの食事はジャンクで野菜が足りないと思われてきましたが、それはもはや一昔前のイメージです。

     もちろん、がんの原因は食べ物だけではありませんが、これら2つのデータは、食習慣の変化ががんを誘発する原因の1つであることを示しています。日本人は野菜不足を認識しなければいけません。食事の内容を見直すことは、がんやその他の病気の予防につながります。

  • 進化する健康管理

西洋医学で病気を治療するメリット・デメリットを知る

  •  寿命が延びた現代、どんなに気をつけても病気は避けられなくなってきました。病気になった時、多くの方は一般的な西洋医学の病院で治療を受けますので、病院の治療でできること、西洋医学のメリット・デメリットを知り、上手に活用することも、現代の健康管理にはとても必要なことです。

     病院での治療とは、形や数値の異常を画像や血液の検査で調べ、異常な数値を薬で正常値に整える、悪いところを外科的な処置で取り除いたり整えたりする、痛みやかゆみなどの不快な症状を抑える、といった「形や数値を健常な状態にする」ことに主眼をおいています。これが病院でやるべきことであり、メリットと言えます。しかし西洋医学には、副作用というデメリットもあります。薬の副作用だけでなく、例えば胃がんを切除した結果、胃が小さくなり、「生活の質が低下する」ことも大きな副作用です。

     医師が診るのは病気であって、患者さんの健康全般を網羅しているわけではありません。そこで皆さんに必要になるのは、病気やその原因を根本から見つめ直し、からだを整える「養生」という考え方です。外科医として15年、がんの切除術をしてきた私の経験から言っても、きちんとからだを整えてから手術を受けた人と、そうでない人とでは、手術の危険度も、術後の経過も、副作用の強さも変わることを実感しています。

     一方で、西洋医学の治療をやめて、養生や自然療法だけで治そうとする患者さんも見てきました。この場合の問題は、その療法がよい結果につながっているかについて、客観的な評価を行わない方が多くいらっしゃることにあります。西洋医学には、腫瘍マーカーや超音波検査、血液や尿の数値といったさまざまな評価の方法があります。これを利用しない手はありません。西洋医学と養生は、本来、相反するものではなく、どちらも必要で共存した方がいいと考えています。

現代の健康管理に必要なのは養生、そして情報の取捨選択

  •  病気を治すには医療と養生、どちらも必要であることをお話ししました。養生は病気の予防にも有効であり、日々の生活で自ら行えるものです。具体的に何をすればよいか迷ったときは、まずは、「昔ながらの生活」をイメージするとよいでしょう。日が昇ったら起きてからだをよく使い、日が沈んだら寝る。きちんと空腹になってから、季節に合った旬の自然な食材を使った料理を作り、食事はよく噛んで、腹八分目に食べる。そして、現代に必要な養生としては、例えば、からだの酸化を抑えるために意識して自然の多い場所に出掛ける、夏に腹巻きを身に着ける、からだを冷やさない食事を摂る、などを加えることをおすすめします。

     もう1つ、現代の健康管理で肝心なことがあります。それは知り得た情報や知識について、自分で判断し、行動できるようになることです。現代の情報社会では日々膨大な情報が発信されており、玉石混交の中から正しいものを的確に選ぶのは至難の業です。私が考える信頼できる情報の目安は、「その情報はお金を払って得たものか」「情報を発信している人は、その道を一途にやってきた経験者か」、この2点です。病気になる前に、健康相談もできる医療者とのつながりを持つことも、これからはとても大切なことだと思います。

     いざ体調不良になったら病院に行って薬をもらえばいい、ということでは、ここで得た情報が生かされたことにはなりません。養生、医療、情報、知識をバランスよく取り入れて、いいと思ったことは自ら行動を起こしてみましょう。

    数十年前まで当然だったことが、科学や医療などの進歩に伴い、今では非常識になっていることが多くあります。最新の健康情報について佐野先生に解説していただきます。
    1日3食は必要ですか?
    A
    からだの調子を見ながら、
    食事の回数や量を決めましょう。
    1日の食事回数は、年代や生活習慣などによって違います。
    成長期の子どもには、軽い食事も含めて4食必要ですし、活動量が少ないシニアは、2食が適した方もいます。「便通が毎日あるか」「お腹が空いている時間があるか」「昼間、元気に活動できているか」をみて、食事の回数を決めてください。
    また、回数だけでなくボリュームや食べるタイミングも調整しましょう。
    仕事の都合などで夜遅くにボリュームがある食事を摂ることが多いなら、腸を休ませる時間を取り、睡眠の質を高めるために、「夜は軽めにし、おなかの空いた朝にしっかり食事を摂る」ようにすることが大切です。
    医学的に理想的な体重は?
    A
    長寿の方は、BMI(肥満指数)
    22~23という調査結果が出ています。
    私が経験から得た感触ですが、胃がんの手術後、生活習慣や食事を改善し、健康を取り戻した男性の多くは、BMIが18~19に落ち着く傾向がありました。そのあたりから、長生き体重の22~23までに保つのが理想的だと感じています。

    減塩の効果的な方法は?
    A
    ミネラルを含む質のよい塩を使い、
    添加物が多用された塩蔵食品は控える。
    塩分は1日8gなどと言われていますが、毎日、塩分を計量するのは大変ですし、減塩できたとしても、おいしくなければ別のストレスがたまります。第一、複合調味料が多い現代では、塩分量を正確に把握するのは不可能です。それよりも、「ミネラルが残る上質な塩を、最低限おいしさを感じる量で使う」のが合理的です。
    また、干物や塩辛などの塩蔵食品には、添加物が多く使われている場合があり、塩分量よりもその添加物が病気の原因となる可能性があるとの調査結果もあります。
    血圧が心配なら、いつもの食事と、減塩した食事をそれぞれ1~2週間ずつ試してみてください。血圧の変動を見れば、減塩の効果を確認することができます。
    健康診断の正しい活用法は?
    A
    1年ごとの体調の変化を確認し、
    生活を整えるきっかけにする。
    健康診断は今の状態を把握するために行います。よい結果を出すために、その時だけ生活を改善するのは意味がありません。普段通りに生活をして受けましょう。
    結果については、標準値の範囲なら安心ということではなく、前回との比較、どのような傾向性があるかを確認してください。結果の見方も含めて相談ができる医師がいる病院で毎年受けることができるとベストです。
    また、人間は少しずつの変化には気づきにくいものです。
    例えば、体重が毎年2kg増えたとしても、あまり気になりませんが、5年で10kgだったら、注視しなければいけません。
    このように、定期的に客観的な数値を知れば、生活習慣を見直すことができ、とても有意義な機会になります。

    まとめ

    現代の健康管理に必要なこと

    現代の健康リスクである「環境や食生活の悪化」「ストレス」「寿命の延長」などが原因と考えられる病気や不調が増えていることを知る
    自分の状態を客観的なデータで確認する
    病気の治療には、養生の考え方も取り入れる
    健康相談ができる医療者とのつながりを持つ
    得た知識や情報は取捨選択し、自ら行動する

    今回は一つの例として、日本とアメリカの野菜消費量とがんの死亡率の関係性を示すグラフをご紹介しました。このようなデータを、自分のこととして置き換え、食生活を見直すきっかけにしていただければと思っています。(よい日々編集 竹村)

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外科医として約16年のキャリアを積んだのち、現在は、治療から健康相談までを総合的にサポートする取り組みを精力的に行っている。
(株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー代表。ナチュラルクリニック代々木 医師。マーキュリーアカデミー校長。NPO法人 予防医学・代替医療振興協会学術理事。日本産業医協会会長。
佐野正行(さの・まさゆき)先生



外科医として約16年のキャリアを積んだのち、現在は、治療から健康相談までを総合的にサポートする取り組みを精力的に行っている。
(株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー代表。ナチュラルクリニック代々木 医師。マーキュリーアカデミー校長。NPO法人 予防医学・代替医療振興協会学術理事。日本産業医協会会長。