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会津より綴る 老いを、慈しむ

会津より綴る 老いを、慈しむ
  • 会津より綴る 老いを、慈しむ
老いを、慈しむ
 何となく 今年はよい事 あるごとし
 元日の朝 晴れて風無し  石川啄木

 大好きな歌である。正月近くなると、私はいつもこの歌を思い出す。悩みを抱えている人ほど共鳴できるのではないだろうか。

 新型コロナとの日々も早3年が経つが、幸い私は無事に過ごしてきた。

 新しい年は、どんな一年になるだろう。

 私にとって、昨年一番のショックは、そのコロナでも、熱中症で運ばれたことでも、電動車椅子に足が挟まったことでもなかった。 

 去る10月11日の報道で、「日本 鉄道開業150年」という言葉を聞いた時だった。

「え~っ、まだそれぐらいなの」

 私は無意識に呟き、その瞬間、震えるような衝撃に見舞われたのだ。100年越えの歳月さえ、「ついこの間」の範疇に捉えている自分が、そこには、いた。

 歳をとればとるほど、感覚的にではあっても、時の流れは早く、短くもなる。それにしても、 150年を「まだそれぐらい」としか感じさせなかったものは、一体何なのか。

 「老い」の自覚への一撃である。老いについて、頭では分かっているつもりだった。しかし何も分かってはいなかったのだ。それが解った瞬間だった。

 ところで、最近の書店は、高齢者向けの本が積み上がっている。老いの人生の手引書である。ベストセラーも多く、シリーズまである。新聞等の広告も大きい。

 私も2、3冊読んでみた。人はみんな歳をとる。そんな何時かのために読んでみるのも楽しいかもしれない。

 さぁ、もうすぐ新年、私も心を尽くして「老いもまた楽しい」、と言えるような日々を送りたい。

 皆様、いつも有り難うございます。呉々もお元気で、今年もよい一年をお過ごし下さい。

大石邦子(おおいし・くにこ)
著述家、エッセイスト。
会津女子高等学校卒業後、出光興産会津事務所に入社。1964年に交通事故に遭い、半身不随となる。長期間の闘病・車いす生活を送る一方、著述家として活躍。
著書に『この生命ある限り』他多数。

商品特徴

会津より綴る 老いを、慈しむ

会津より綴る 老いを、慈しむ
老いを、慈しむ
 何となく 今年はよい事 あるごとし
 元日の朝 晴れて風無し  石川啄木

 大好きな歌である。正月近くなると、私はいつもこの歌を思い出す。悩みを抱えている人ほど共鳴できるのではないだろうか。

 新型コロナとの日々も早3年が経つが、幸い私は無事に過ごしてきた。

 新しい年は、どんな一年になるだろう。

 私にとって、昨年一番のショックは、そのコロナでも、熱中症で運ばれたことでも、電動車椅子に足が挟まったことでもなかった。 

 去る10月11日の報道で、「日本 鉄道開業150年」という言葉を聞いた時だった。

「え~っ、まだそれぐらいなの」

 私は無意識に呟き、その瞬間、震えるような衝撃に見舞われたのだ。100年越えの歳月さえ、「ついこの間」の範疇に捉えている自分が、そこには、いた。

 歳をとればとるほど、感覚的にではあっても、時の流れは早く、短くもなる。それにしても、 150年を「まだそれぐらい」としか感じさせなかったものは、一体何なのか。

 「老い」の自覚への一撃である。老いについて、頭では分かっているつもりだった。しかし何も分かってはいなかったのだ。それが解った瞬間だった。

 ところで、最近の書店は、高齢者向けの本が積み上がっている。老いの人生の手引書である。ベストセラーも多く、シリーズまである。新聞等の広告も大きい。

 私も2、3冊読んでみた。人はみんな歳をとる。そんな何時かのために読んでみるのも楽しいかもしれない。

 さぁ、もうすぐ新年、私も心を尽くして「老いもまた楽しい」、と言えるような日々を送りたい。

 皆様、いつも有り難うございます。呉々もお元気で、今年もよい一年をお過ごし下さい。

大石邦子(おおいし・くにこ)
著述家、エッセイスト。
会津女子高等学校卒業後、出光興産会津事務所に入社。1964年に交通事故に遭い、半身不随となる。長期間の闘病・車いす生活を送る一方、著述家として活躍。
著書に『この生命ある限り』他多数。

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2023年1月10日

会津より綴る 老いを、慈しむ

老いを、慈しむ
 何となく 今年はよい事 あるごとし
 元日の朝 晴れて風無し  石川啄木

 大好きな歌である。正月近くなると、私はいつもこの歌を思い出す。悩みを抱えている人ほど共鳴できるのではないだろうか。

 新型コロナとの日々も早3年が経つが、幸い私は無事に過ごしてきた。

 新しい年は、どんな一年になるだろう。

 私にとって、昨年一番のショックは、そのコロナでも、熱中症で運ばれたことでも、電動車椅子に足が挟まったことでもなかった。 

 去る10月11日の報道で、「日本 鉄道開業150年」という言葉を聞いた時だった。

「え~っ、まだそれぐらいなの」

 私は無意識に呟き、その瞬間、震えるような衝撃に見舞われたのだ。100年越えの歳月さえ、「ついこの間」の範疇に捉えている自分が、そこには、いた。

 歳をとればとるほど、感覚的にではあっても、時の流れは早く、短くもなる。それにしても、 150年を「まだそれぐらい」としか感じさせなかったものは、一体何なのか。

 「老い」の自覚への一撃である。老いについて、頭では分かっているつもりだった。しかし何も分かってはいなかったのだ。それが解った瞬間だった。

 ところで、最近の書店は、高齢者向けの本が積み上がっている。老いの人生の手引書である。ベストセラーも多く、シリーズまである。新聞等の広告も大きい。

 私も2、3冊読んでみた。人はみんな歳をとる。そんな何時かのために読んでみるのも楽しいかもしれない。

 さぁ、もうすぐ新年、私も心を尽くして「老いもまた楽しい」、と言えるような日々を送りたい。

 皆様、いつも有り難うございます。呉々もお元気で、今年もよい一年をお過ごし下さい。

大石邦子(おおいし・くにこ)
著述家、エッセイスト。
会津女子高等学校卒業後、出光興産会津事務所に入社。1964年に交通事故に遭い、半身不随となる。長期間の闘病・車いす生活を送る一方、著述家として活躍。
著書に『この生命ある限り』他多数。