骨折の治療をする場合、手術をして金具でつなぎとめたりしますが、それは骨が整復された状態を作ってあげているだけで、新しい骨を再生するのはからだの治癒力です。骨折だけでなく切り傷でも、体温が高い方が回復が早いですし、エアコンなどで冷えているからだでは治るのに時間がかかります。
からだは食べ物から熱を一生懸命作っていますが、その熱を外から補給した場合、自分で作らなくても済み、その分の余力が生まれます。その余力を回復力にまわすことができるので、早く治すことができます。なかなか回復しないのはからだに余力がないからです。
治療は、「刺激と反応」という考え方が最大のポイントです。1の刺激(治療)で、100倍、1000倍の反応(治療効果)が起こせます。医師はあくまで回復するキッカケを作っているだけで、私はより大きな反応(治療効果)を起こせるように努めています。
温めるとからだの中で良い循環が始まって、何倍もの反応が起きることをこれまでの経験で実感しています。温めることは簡単で確実に効果があります。過熱(やけど)に気を付けるだけで、他に副作用はほとんどありません。からだの調子が悪くて食べられないことはあるかもしれませんが、温めることはどんなからだの状態であっても誰にでもできることです。
温める治療で用いているのは「遠赤外線」です。遠赤外線は体表を透過して中まで浸透し、熱として(特に骨に)蓄熱されて、温かさが持続します。代謝と循環が良くなります。石焼き芋は焼かれた石からの熱でおいしい焼き芋になりますが、その原理と同じことがからだの中で起きます。ホカホカと気持ち良いからだになり、温かい、柔らかい、気持ち良い赤ちゃん状態に近づきます。
外から熱を補給して冷えが解消されると、からだの感覚が変わってくるはずです。温めることを続けて十二分な回復力を蓄えましょう。