地球規模の課題解決と聞くと大それたことのように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。例えば「オーガニックを選ぶこと」もSDGsに貢献する行動の一つです。
17の目標の中に「⑫つくる責任 つかう責任」という項目があります。「限られた資源やエネルギーを無駄使いしないモノ作りと消費行動を目指す」という内容です。
これを農業に当てはめてみると、有機農業のように地球本来の循環サイクルや生態系に配慮した農法は、環境負荷が少なく「持続可能な方法」といえます。さらに、製造過程でCO2(二酸化炭素)が出る化学肥料・農薬を極力使わない点、地産地消をすれば輸送によるCO2排出量も減らせることなどから、「⑬気候変動に具体的な対策を」の項目にも寄与するでしょう。
他の項目とも関わりがあります。化学物質が土壌や地下水に悪影響を及ぼすことが少ないため「⑥安全な水とトイレを世界中に」「⑭海の豊かさを守ろう」「⑮陸の豊かさも守ろう」にも繋がりますし、化学物質による健康被害を減らせるという点では「③すべての人に健康と福祉を」も当てはまりそうです。
つまり、私たち消費者がオーガニックを選ぶという一つの行動が、地球環境や生産者の生活を持続可能なものにし、いくつものSDGsの目標に貢献することになるのです。
私も自分にできることとして、事業で社会貢献することを目指し、オーガニックやフェアトレード(発展途上国と公正な取引をする仕組み)の商品を多く扱う会社を経営しています。
販売商品の一つ、オーガニック紅茶を生産するインドのジャリンガ茶園は、SDGsの17目標すべての達成に取り組む世界でも先進的な茶園です。同茶園では、園内の雑草などから有機堆肥を作ったり、働く人に土地を提供して他の仕事で収入を得ることを認めたりと、地球環境にも人にもやさしい取り組みを実践しています。またCO2排出量が実質ゼロになるようエネルギーを循環させ、茶園として世界で初めて「CO2ニュートラル」認証*も取得しました。
こうした生産者の商品を輸入し、日本の皆さまに届けることで、会社としても私個人としても、SDGsに貢献できればと考えています。
*CO2ニュートラル認証とは、二酸化炭素の排出量が実質的にゼロ以下であることを公的に認証する制度。ジャリンガ茶園は、茶の生産時のCO2排出量よりも、茶園の植物のCO2吸収量の方が多いことが認められた。 ※ジャリンガ茶園の商品はよい日々ショップでは未販売
*** 環境問題に関心がある割合 ***
出典:「マイクロプラスチック問題に関する国際比較調査」(ウォータースタンド株式会社)
*** 日本人の有機への意識 ***
***地球の炭素循環 ***
地球上の生物は、大気、水、土壌などと網の目のように相互に繋がり「生態系」として循環している。私たち人間の活動も、生態系の一部。しかし過剰な人間活動によって、こうした地球上の物質循環やエネルギーの流れが撹乱し、近年の環境問題が引き起こっている。